完璧な提案は通らない
会議で提案が通らないのは、準備が足りないからだと思っていました。だから背景も根拠も判断ポイントも全部そろえて、あとは決めるだけの状態で出しているのに、なぜか決まらない。もしかしたら、完璧すぎることが問題なのかもしれません。
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マルシェ運営で感じている課題
以前もお話ししたことがあるんですが、いま地域の公園などで開催するマルシェのようなイベントの運営に携わっています。
地域密着型のこぢんまりとしたイベントで、献身的というか、奉仕的な側面が強めの活動です。
運営メンバーは5人ほど。
主催責任者のような方もいらっしゃって、LINEのグループで話したり、直接顔を合わせてミーティングしたりしながら、運営の改善や施策について議論しています。
一人ひとりはとても素敵な方で、普段のコミュニケーションはとても楽しいんですね。
ただ、運営の問題点として、なかなか物事が決まらないんですよ。
そこが非常に大きな課題だと感じています。
なぜ物事が決まらないのか
理由はいくつかあります。
まず、運営メンバーはそれぞれ本業やメインの活動があるんですね。
それぞれが一出展者としてマルシェに参加している身なので、本業を見つつ、イベント運営に時間やリソースを割いている状態です。
だから話の進みが遅くなりやすい。
メッセージの返信が1日来ないこともあって、それだけで話がひとつ進むのに何日も、何週間もかかってしまいます。
次に、意思決定の方法が決まっていないこと。
意見や提案はそれなりに出るんですが、それをどう採択するのか、誰が決めるのか、誰が責任を持つのか、全部曖昧なままなんです。
さらに、論点がずれやすい。
ひとつの提案について議論しているはずが、派生した話にどんどん脱線していって、方向修正を図ってもまた別の方向にそれてしまう。
結果として「何の話をしていたんだっけ」となりがちです。
各々の時間が限られている中で、結局決まることが同じなのであれば、決めるまでの時間は短い方がいいじゃないですか。
少なくとも自分はそう思っています。
「あとは判断するだけ」までパッケージ化した提案
だからこそ、スムーズに決められるように自分なりに工夫してきました。
それが今回のテーマにつながる「完璧な提案」、手間のかからない提案です。
具体的には、まず提案の背景をまとめて、前提条件を整理して言語化する。
それを踏まえた上で、提案内容を一言でまとめたキラーフレーズを投げて、詳細を書き、根拠となる数字やソースを明示する。
さらに採用判断の際に検討すべきポイント、判断の勘どころまで列挙して、それぞれの根拠も示しています。
つまり、その提案を見たら追加のリサーチは必要なく、どの要素に注目して判断すればいいかまで提示している。
「読んでもらえば、あとは判断するだけでいい」というところまでパッケージ化して提案を投げているんです。
しかも自分の思考の抜け漏れや盲点もあると思うので、AIに批判的にレビューしてもらって、想定しうる反論も潰した上で調整しています。
それでも、全然通らないんですね。
通らないというか、そこからまた議論が広がって決まらないんですよ。
それでも通らない、3つの理由
なんでなんだろうと考えて、理由は3つくらいあるかなと思っています。
1つ目は、会議に対するスタンスが違うこと。
自分は物事を決める場であれば建設的にどんどん進めたいと思っているんですが、他の人は同じ温度感ではないのかもしれない。
議論のスピード、提案の影響範囲をどこまで想定するか、この場でどこまで決めようとしているのか。
そういうミーティングに対する意識がバラバラなんだろうなと。
それが良い悪いではなくて、スタンスの違いなんですよね。
2つ目は、内容は完璧でも、文脈が完璧ではないこと。
提案自体はおそらく問題ないんです。
でも、その場の温度感に合った提案は、もっとラフなものかもしれない。
日常会話の延長で「これやったらいいんじゃない?」くらいの軽い提案を出して、みんなで話しながら作っていく温度感が合っているのだとしたら、自分の提案は少し完成されすぎているのかもしれません。
3つ目は、突っ込みどころがないこと。
悪いことには聞こえないんですが、複数人の意思決定においては意外と良くないのかもしれない。
人はただ完成された提案を受け入れるよりも、「自分も考えてその決定に関わった」という感覚を持つことが非常に大事だと思うんです。
その感覚のあるなしで、提案への愛着や向き合い方は大きく変わってくる。
突っ込みどころのない提案は、介入の余地がない。
意見を出すことで意思決定に関わったという感覚が生まれるはずのその機会を、自分は潰してしまっている可能性があるなと思っています。
参加してもらう余白を残す
こういう場合の意思決定は、たぶんロジックだけでは決まらないんだと思います。
人間が決めることなので、感情という要素も大きく関わってくる。
だから本来は、人が納得して動くような提案が必要なのかもしれません。
自分はそこへの配慮ができていなかった。
あまりに完成度の高い提案をするよりも、もっと突っ込みどころがあって、その場にいる人が「やりたい」「応援したい」となるような提案の仕方をする。
そういう配慮がまだまだ足りていなかったなと考えています。
だから今後は、少しだけ突っ込みどころを意図的に残したり、完璧な完成品としてのパッケージではなく、参加してもらう余白を残すことを意識してミーティングに臨みたい。
つまり、意見を出しやすい提案をするということです。
提案は質が高ければ通るわけではなくて、むしろ完璧すぎる提案ほど人々が参画する余地がなくなって、感情的にも心理的にも通りづらくなってしまうのかな、というぼやきでした。
こういう提案の仕方をしたら通りやすくなったよという経験や知識があれば、ぜひコメントで教えてください。
まとめ
- 地域マルシェの運営では、時間の制約・意思決定方法の曖昧さ・論点のずれによって、なかなか物事が決まりません。
- 背景・根拠・判断ポイントまで揃えた「あとは判断するだけ」の提案を用意しても、そこからまた議論が広がって決まらないという壁に当たりました。
- 理由は、会議へのスタンスの違い、場の温度感と合わない完成度、そして突っ込みどころのなさが「自分も決めた」という感覚を奪ってしまうことにあると考えています。
- 完璧なパッケージではなく、意図的に余白を残して参加してもらえる提案の仕方を心がけたいと思います。