欠乏を楽しむ — キャンプや雨の日に気づく屋根のありがたさ
喉の渇きも、寒さも、キャンプの不便さも、ぜんぶ「欠乏」と言えば欠乏。でも人はどうして、あえて整わない場所へ足を運ぶんだろう。雨の中を歩いて家に着いた瞬間、屋根のありがたさに感動した話から、欠乏がくれる余白について考えてみました。
🎧 Spotify で聴く · Apple · YouTube · Amazon
欠乏を楽しむ、というテーマ
今日は「欠乏を楽しむ」というテーマで話してみたいと思います。
欠けているに乏しいと書いて欠乏。
喉が渇いた、寒い、そういう「何かが足りていない」状態のことです。
一般的には、欠乏って苦しかったり不幸だったりするものとして捉えられがちですよね。
でも意外と、みんなそれを楽しんでいる場面があるんじゃないか。
そして、欠乏があるからこそ物事のありがたみを感じられるんじゃないか。
今日はそんな話をしていきます。
キャンプは「あえて整わない環境」に身を置くこと
楽しんでる、と言われて疑問に思う方もいると思うので、例を挙げます。
たとえばキャンプ。
山や川辺にわざわざ出かけていくわけですが、キャンプって家やホテルよりも圧倒的に環境が整っていないですよね。
設備もないし、トイレは虫だらけだったりするし、夜は照明もつかないし、エアコンもないから寒い。
それでもキャンプ好きな人はすごく好きじゃないですか。
キャンプって、あえて整っていない環境に自分の身を置くという行為とも言えると思うんです。
その中間としてグランピングというサービスもありますよね。
ホテルとキャンプの間。
だから欠乏をどこまで楽しむかは人によってグラデーションがあって、いちばん欠乏に近いのがキャンプ、その手前がグランピング、さらに手前がホテル、みたいな感じ。
ちなみに自分は虫が苦手で寝汗もかきたくないので、ホテルの方が断然好きです。
ホテルの大浴場も好きだし。
ただ家族にキャンプ好きがいるので年に3回くらいは行くんですが、それでもキャンプが悪くないと思えるのは、きっと全部が満たされているからじゃなくて、普段ある要素が欠けているからなんですよね。
便利の対極を、あえて選ぶ
同じような例って、ほかにもありますよね。
ケーブルカーやロープウェイが通っている山を、あえて歩いて登る。
車で行ける富士山の五合目まで、あえて徒歩で登ってみる。
便利の対極というか、普段用意されているものをあえて手放してみる選択。
一見すると非合理的でおかしな話に思えるけれど、そう考えてみると人間って面白いなって思います。
DIYもそうかもしれません。
既製品を買った方が早いし、クオリティも高い。
でもわざわざ自分の手で組み立てる、その「無駄」を楽しむ。
便利を放棄することが、逆に体験の豊かさになるという不思議さがあります。
雨の中で気づいた、屋根のありがたさ
もうひとつ話したかったのが、欠乏することで初めて大切さがわかる、ということ。
よく「大切なものは失った時に初めて価値がわかる」って恋愛の文脈で言われますが、これは何事においても言えると思うんです。
この間、雨風がすごく強い中を、傘もなしに20分くらい歩いていたんです。
びしょ濡れになりながら、やっと家にたどり着いた瞬間、家に入る前にふと思ったのが「屋根があるって、こんなにありがたいんだな」ということでした。
元気がなかったのもあるかもしれないけど、すごく感動しちゃって。
屋根があって、四方を壁に囲まれた場所があるっていうのは、なんて幸せなことなんだろうって。
普段は当たり前すぎて気づかないものも、一度欠乏させると当たり前じゃないんだと体感できる。
そうすると、傲慢にならずに、今あるもののありがたさをかみしめられる気がしました。
欠乏がくれる、余白と気づき
何かが足りていない、欠乏しているという状態は、一見すると悪者に見えなくもない。
でも実は、「あえてない」を楽しむ余白を作ってくれるものでもあるし、当たり前じゃないんだよとリマインドしてくれるものでもある。
そう考えると、欠乏ってそんなに悪いことじゃなくて、価値のあることなのかもしれない。
最近そんなふわふわとした思考をしていました。
みなさんはどうですか。
キャンプでもウォーキングでも、普段あるものをあえて使わないとか、整っていない環境に身を置くことを楽しむ体験、ありますか。
あるいは、何かが欠けたことで普段の物事の大切さを実感した瞬間。
よかったらコメントで教えてもらえると嬉しいです。
まとめ
- 欠乏を楽しむとは、あえて整っていない環境に身を置く行為でもあります。キャンプやDIY、徒歩で山を登ることなど、便利の対極を選ぶ体験には独特の豊かさがあります。
- 雨の中を傘もなく歩いて家にたどり着いた時、屋根があることのありがたさに感動しました。欠乏を経ることで、当たり前が当たり前でなくなる瞬間があります。
- 欠乏は「無駄を楽しむ余白」を作ってくれると同時に、今あるものの価値を思い出させてくれます。そう捉えると、悪いことばかりでもないのかもしれません。
メールで受け取る
新しい回の配信と、記事にだけ書いた続きを、たまにメールでお送りしています。無料で購読する。
この回について思ったこと、下のコメントで聞かせてもらえたら嬉しいです。ひとりごとに返事がもらえるのは、けっこう嬉しいものなので。